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水村美苗「日本語が亡びるとき」の書評まとめ。

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まとめ



話題先行に関する感想


僕は水村美苗さんの書く本が好きで、「本格小説」を読んだときにはその才能に衝撃を受けた。以来、ファンとなったのだが、梅田さんが仰る通り寡作な方なので、新刊が出たことに気がつかず、流れに乗り遅れた。

僕はこの本を読んでいない。

書評がここまであふれると、なんだかおなかがいっぱいになった気がして、どうにも自分で読む気がそがれてしまう。

こういう風に書評が先行して、万人受けするわけでもない本が飛ぶように売れると、話題だけが先行し、みんながこぞって買う。ところが、少し経ってから周りに聞いてみると、いまいちぱっとしない感想が返ってきたり、最後まで読めなかったという話を聞いたりすることになる。そして、BOOKOFF の定番になってしまう。

こういうのを僕は「『ソフィーの世界』現象」と呼んでいる。

提案


この本を買おうか迷っている人にひとつ提案してみたい。
まず、「本格小説」を読んでみてはいかがかと。

小説家としての氏の才能に触れてから、その後、まだこの本を読む熱が残っていたら、そのときにあらためて読んでみたらいいのではないか。

希望


「日本語が亡びるとき」を読んでいない僕が言うのもなんだが、こういう本ではなく、新しい小説を書いて欲しい。
僕はそれが読みたいんだ。

水村 美苗 ¥ 820
ゆったりと舞台を整えて・・・
この小説さえあれば、ほかの小説はいらない
「文学」をめぐる物語の不幸
価値ある作品
日本文学に向けてのメッセージ




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コメント
素晴らしい指摘だと思いました。
「本格小説」、読んでみます。
| いけだ | 2008/11/10 11:17 PM |
> いけださん

はじめまして。コメントありがとうございます。

「本格小説」は少し長くて間延びしてしまうところもあるかもしれませんが、是非最後まで読んでみてください。「日本が亡びるとき」よりも、水村美苗という人を、もっといろいろな人に知ってもらいたいと思います。

こういう小説を書く人なんだよってことを。

| junichiro | 2008/11/10 11:33 PM |
題名にひかれて買ってはみたのですが、活字も小さめで、一見かなり硬い内容が連綿と続くのかと、それなりの覚悟をして読み始めました。ところがアイオア大学のIPWコース参加から始まるこの文章は、なんでこんなにすらすらと心に流れこんでくるのだろう、言っていることが、なんでこんなに良くわかるんだろうと、その心地よさに浸りながら読み進みました。思うに、この文章は今流行の、浅薄な仲間言葉、横文字言葉、たとえばKYとか、パフォーマンスとか、もっとちゃんとした日本語で表現できはずの言葉を、ごまかしの言い表し方では書いていないのにも由来していると思われる。
筆者が12歳で渡米して、変容しつつある日本語と無縁で、日本近代文学の古典を読みふけったと言うことも幸いしているのでしょう。つい長くなってしまったが、筆者の文章力とその表す清冽さに感動した。
| ベルガラス | 2009/01/27 3:12 PM |
そしたら、是非、「本格小説」または「私小説」を読んでみてください!
| junichiro | 2009/01/27 3:16 PM |
 米国にいる友人に、今手元にない「日本語が亡びるとき」を勧めるために、インターネットを見て、たまたまこのブログを眼にしました。
 私も『本格小説』を夢中になって読み、彼女の「続明暗」を読むために、漱石の『明暗』を読み直した水村さんファンです。
 ファンだからというのではありませんが、『日本語が亡びるとき』を一種の流行現象として忌避したり、「こんなものを書く暇があるなら、もっと小説を書いて」だとかいうコメントは、的外れです。ものすごくもったいない事です。それに小説に劣らず、この作品は面白いのです。思わずにやりとしたり、そうだ、そうだ、と頷かせる論理展開など、小説に負けず劣らず、素晴らしい作品です。
 彼女が小説を書かずに、この作品を書かずにいられなかった危機感は、この本を読むとひしひしと伝わってきます。なにか外国に長くいたことが悪いみたいなコメントもありましたが、非英語圏に10年以上いた私にとっても、この「英語の世紀」にいるという感覚は十二分に共有できるものですし、日本に生活の基盤を置いている人は、それ以上に「英語の世紀」を実感しているはずです。何しろ、他の科目は犠牲にしてでも小学校で英語を学ばせる時代に私たちはいるのですから。
 どうか、この本を読んでいただきたいと思います。「一握りのエリートバイリンガルを育成すべし」といった主張が一人歩きして、平等好きの傾向がある我が日本では、非難の対象になっているかもしれませんが、日本国民全員が簡単な英語の日常会話ができたところで、日本人が豊かな日本語を手放してしまい、まともに読み書きもできないことになってしまうなら、そんな英語教育は果たして必要かということを、皆が真剣に考えるべき時だと思います。それも今、そして大いなる危機感を持って。
 こういう長いコメントをブログに書き込んだりするのは初めてですが、ちらっとこのブログを見て、見逃すわけにはいかないと思って書かせていただきました。
| nagashima | 2009/05/09 11:34 AM |
真摯なご意見をありがとうございます。

この「日本語が亡びるとき」の評判(良いものも悪いものも)がネット上では非常に話題になり、水村美苗さんイコール「『日本語が亡びるとき』の人」というステレオタイプ的な考え方が蔓延するのがとても嫌で、私はこのエントリを書きました。

しかし、逆にnagashima さんのコメントを拝見して、私自身も水村美苗さんイコール「『本格小説』などの純文学系の小説を書くひと」という固定概念にとらわれているということに気がつきました。

どちらのジャンルの本も水村美苗さんのものであり、おこがましくもそれらを評すのであれば、両方読んでしかるべきだと反省いたしました。

ありがとうございます。
「日本語が亡びるとき」読んでみようと思います。
| junichiro | 2009/05/09 11:47 AM |
 日本語が滅びるときは、半年前に買って積ん読にしていたまま、今になって読んでいます。確かに読んでいて、英語が普遍語として存在する世界の到来と、書き言葉としての日本語の存在の憂いを思わせられます。
 そうなのですが、そう思うと、一章の存在がよくわからないものになっています。国語の存続の難しさについてなのかな?程度の読解となってしまっていますが、違っているような気がしてなりません。

 ともかく、私も「本格小説」が大好きな読者の一人で、次の作品も読みたいという希望には、強く共感してしまいます。
| ジャック・ルー | 2009/06/28 10:19 PM |
コメントありがとうございます。

日本語が亡びるときの解釈については、「ユリイカ2009年2月号」にいろいろな識者からの評論が載っておりますので、参考になると思います。水村美苗氏ご本人による説明もあり非常に良かったです。

図書館などにもあるかもしれませんので、見かけたらご覧になることをオススメします。
| junichiro | 2009/06/30 12:03 PM |









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