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起業に関する考察と僕の会社について

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僕は起業家です

僕は対外的には、エンジニアの集まりを中心にしか出かけていないので、僕が社長であることを知らない人は多いかもしれません。2003年に設立した僕の会社は、代表が2人いる不思議な会社です。そのため、対外的にももう1人のほうが社長として前面に立っているので、相対的に僕の社長感は薄れています。油断すると、社員ですら僕が社長であることを知らないひとがいるかもしれません。そのため、このブログでも、会社のこととか、起業のこととかを書くことはほとんどありませんでした。しかし最近、起業に関する話を目にすることが多くなってきたので、同じ起業家として僕が思うところを少し書いてみたいと考えました。

まず最初に気になったのが、えがみさんのエントリ。

起業して挫折を経て分かった、「好きを貫いて気分よく生きる」事の難しさ。|ホットココア社長日記 @egachan

僕は江上さんのことをほとんど存知あげていないので、この記事から受ける印象および感想だけ、まず書いてみたいと思います。こういう内容、起業に関する挫折などを表現してくださるということはとても有意義であると思いました。実際、非常に多くのブックマークやいいね!がついているようです。しかし一方で、その行為が有意義であっても、僕はその内容にほとんど共感できませんでした。特に、他人の成功との比較から自分がプレッシャーを感じたり、他人の不幸を聞いて安心したり、必要以上の売上を求めたりというあたりが、一番自分とは違うと感じました。起業に対して明確な目的があれば、その辺はほとんど気にならないことではないかと思いました。ですので、まず、これから起業する人でこれを参考にされた方は、わかっているとは思いますが、これはあくまでもひとつの例でしかないということも念頭においておいたほうが良いと思います。僕の話ももちろんひとつの例でしかありません。

起業はただの選択肢のひとつに過ぎない

また、このエントリにも出てくることですが「起業 = 偉い」ではないということを、起業する人も起業した人も、起業家に接する人も共通認識として持って頂きたいと思いました。僕は就職活動の一選択肢として起業があるに過ぎないとずっと考えてきました。そのため、起業された方には祝福の言葉を述べますが、それは内定者に対する言葉と同じ意味でしかありません。逆に、自分が起業したことや、社長であることを人に話したときに、必要以上に「凄い」とか「偉い」とか、ただ起業したということだけで「尊敬」されたりすることに、居心地の悪さを感じることもありました。ましてや、「社長なんだから○○しないと」みたいなことを、社員でもなんでもない人から言われることには、嫌悪を感じることだってありました。あと、実際、サラリーマンであり続けることも起業に匹敵するくらい大変なことだと、常々思っています。

これくらい書いてもまだ起業に対する羨望や、尊敬がある人もいるかと思いますので、まだもう少し書きます。そもそも起業なんて本当に誰でもできることなんです。基本的には手続さえすれば誰でも起業できます。誰でも社長になれます。簡単なんです。ところが、ある会社で部長クラスになろうと思ったら、能力、実績、社内調整など、あらゆる面で同僚としのぎを削りあい、勝ち抜かなければならないのです。社長(創業者)になるよりよっぽど大変です。社長というのは、単に他の人と職種が違うという程度のものだと思います。

起業をめぐるバイアス

起業に関する話でもうひとつ気になったエントリがあります。

起業をめぐるバイアス

これはとても参考になりました。こちらの記事については共感しまくりでした。ここでは「起業を勧めるバイアスを帯びた人々」の中で「先輩起業家」というものがあげられており、そこでやはり「起業 = 尊いこと」という幻想が論じられております。

自身が、多くの社会人とは異なる、よりリスクの大きい道を選択しているため、そのことを尊いこと、すごいことだと考えたいというバイアスを帯びる。人に勧めまでするかはともかく、それによって承認欲求が満たされるので、起業は尊いことであると主張する動機を持つ。

たしかにリスクの大きい道を尊いことだと、すごいことだと考えたいバイアスというのはあると思います。しかし冷静に考えてみれば、リスクがの大小と尊さが比例するわけもないことには、すぐ気がつくと思います。もしそうなってしまったら、公務員はあまり尊敬されず、ギャンブラーはすごく尊敬される存在になってしまいます。え、もしかしてそうなの?ま、ともかく、あとですね、起業のほうがリスクが大きいということ自体、あっさりと認めていい内容とは思えないのです。

就職することのリスク

就職するということは、ある会社に自分の身、生活を委ねることにほかならなく、それはそれでリスクだと僕は思います。自分の「会社を見る目」を信じていなければできないことです。そして、サラリーマンはどうしても自分でコントロールできる範囲と、責任を取る範囲に乖離があると思います。自分が悪くなくても、給料が下がるなど。その点、起業は自分でコントールできる範囲と、責任を取る範囲の乖離がなく、すべて自分の責任の範囲でコントロールできます。つまり自分自身を見る目を信じればいいだけです。他人であるところの会社を見る目より、自分自身を見る目のほうがわかりやすいとは一概には言えないと思いますが、僕は後者のほうがわかりやすいと思い、自分を信じるとにしました。

ちなみに、僕も先輩起業家として起業を勧めることはあります。しかしそれは「『起業 = 凄い』、だからあなたもやりなさい。」という文脈ではなく、「起業も就職というか、収入を得る一選択肢に過ぎないのだから、就活のときの会社選びと同等に検討すべきだ」という文脈でです。

上記を踏まえて、僕がどういう動機で起業し、そしていまどう考えて経営しているか書いてみたいと思います。

株式会社イースリーとは

僕たちの会社、イースリーはサッカーに関するビジネスをしています。起業の動機は端的に言うと「サッカーが好きだから」です。起業の前年、2002年ですが、僕は共同経営者である小野寺と仕事帰りにフットサルに行っていました。僕も小野寺もサッカー歴20年以上の、ねっからのサッカーバカだったので、行く回数も多くなり、それなりにお金もかかるようになりました。そうしているうちに「フットサルコートって、なんだか儲かりそうだよなぁ」と考えるようになりました。当時からフットサルコートはオンライン予約できるところも多く、そういうところはコートの予約状況、つまり稼働率がネットで見れました。時間あたりの料金は料金表からわかるので、それらから計算することで月間の売上は計算できました。それから常駐スタッフの人数と、だいたいのバイト代、さらにその土地のだいたいの賃貸の坪単価などを概算し、なんとなく利益っぽいものを算出しました。

「やっべwww すげー儲かってんじゃんwww」

これがスタートでした。よく見るとこの時点では「お金」求めてますねw それから都内のフットサルコートをすべて現地調査し、前述の利益調査みたいなものを、すべてのコートに対しておこなって、これは行けるという判断のもと起業に至りました。実際にはやりたいからといって、すぐにホイホイいい土地があるわけでもなく、それからフットサルコートを持つまでには3年かかりました。その間なにをしていたかといいますと、先ほどの共感したエントリにもあったように「受託開発」で稼いでいたわけです。

受託ソフトウェア開発は有望な食い扶持である。開発案件の受注さえできれば、その時点で、報酬を得られることがかなり確実になる。起業家のほとんどは、まず、食べていけるだけの稼ぎが欲しい。同時に、起業家の一部は、顧客由来の何かに取り組むのではなく、自らの発想や動機に基づく事業をしたい。前者のためには受託開発が圧倒的に有利だが、しかしそれは自らの発想に基づいた活動ではない。そこで、まずは受託開発をこなして日銭を確保しつつ、並行して、自らの発想に基づく事業を進めようとする。そして何年か経つと、自分のやりたかったことの方がほとんど進んでいないことに気がつく。必ずというわけではないが、そうなりがちなものらしい。

はい、そうなりました。

ただ、そこでイースリーの良かったところは、経営者が2人いることでした。このままではいけないと考えるようになってからは、僕が受託で食いつなぐなか、小野寺は受託なしでやっていける土台作りに邁進しました。受託のほうは幸い僕だけで完結できるので、受託開発をやる会社の経営者として、仕事をとってきて、そしてそれをディレクションし、場合によっては自分で開発し、回すことができました。その間に一方では、小野寺が粛々とサッカービジネスの土台作りを進めておりました。こうすることで、経営リソースがどちらにも割けたので、どちらか一方がに押されてしまうことなくバランス良く並行して進めていくことができました。

起業の目的とイースリーのミッション

しばらくして、こうしてサッカーに関するビジネスをやるうちに、どうやらこれはそんなに大きく儲からないビジネスらしいということに気がつき始めました。例えば、同じようなモデルでやるのであれば、内容をそのままにゴルフで展開したほうが、市場規模的に絶対儲かるだろうというようなこともわかり始めました。ところが、もともと「儲かるから」という理由で始めたサッカーの仕事なのに、より儲かるであろう(例えば)ゴルフの仕事より、そのままサッカーの仕事を続けていたいという気持ちに気がつきました。それから、自分たちの本当にやりたいこと、そしてイースリーのミッションはどうあるべきかをあらためて考えてみました。

そして至ったイースリーのミッションは「**サッカープレイヤーを増やす**」ということでした。 「サッカーが好きだ」「サッカーに育ててきてもらった」「サッカーに恩返ししたい」「その価値をひとりでも多くのひととわかちあいたい」そういう思いの結集が、このミッションになりました。

結果的に、先ほどのエントリでいう「スタートアップ」か「スモールビジネス」かという区分けだとなかなか説明がつかないことをやっております。お金を目的にした投資家が興味をもつようなことはやっていないので、そういう意味では「スモールビジネス」であるし、かといって従来からある事業をやるのではなく、新たな価値を創出していくビジネスをしているという点では「スタートアップ」でもあります。

まとめ

久しぶりに長い文章を書いたせいで、話がとっちらかってしまって、何を言いたいのかわからなくなってしまったのですが、あえていうなら、手前味噌で非常に恐縮なのですが、僕たちの会社「イースリー」は非常に良い会社だということです。最近のいろいろな起業に関する話を目にして、あらためて「イースリー」がいい会社だと感じたということを伝えたかっただけなんだろうと思います。

いま、イースリーでは下記の事業を営んでおります。

いまここでひとつひとつのコンセプトを紹介するようなことはしませんが、すべて直接ないしは間接的に「サッカープレイヤーを増やす」ことを目的としております。

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